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2025/ 1 1 / 18
\途上国のお話、聞いてみませんか?/
国際協力って、もっと身近にできる! JICA活動紹介セミナー開催のお知らせ
「途上国のことに興味はあるけど、自分に出来ることってなんだろう」
「国内で市民活動はしたことがあるけど、国際協力って難しそう」
「途上国の現場の様子を知りたい」
そんな方にぴったりのイベントです!
〇イベント名:
世界と出会う、わたしの一歩 ~国際協力を身近に感じる、語りと出会いの場~
日時:2025年 1 1 月29日(土)14:30~16:30
会場:とちぎ国際交流センター(栃木県宇都宮市本町9-1-4)/ オンライン
※オンライン参加も可能なハイブリッド開催!
〇内容:
地域で活躍する方々が、国際協力機構(J ICA)の事業を通じて、途上国で取り組んだ活動を紹介します。現地の様子や活動への想いを聞きながら、「自分にもできることがあるかも」と感じられる時間です。国際協力を知らなくても、市民活動に取り組んだことがなくても、どなたでもご参加いただけます。
〇登壇者:
小久保 行雄 氏(有限会社ドンカメ) 東ティモールにおける有機質資源の循環システム構築の取り組み(草の根技術協力事業活用事例)
半田 好男 氏(ディーヨ フォーラム JAPAN) ネパール村落部における学習に遅れがちな生徒の保護者への支援活動(JICA基金活用事業活用事例)
〇参加費: 無料
〇参加申込: 以下のフォームから簡単にお申し込みいただけます!
https://forms.office.com/r/FcPMk5Rm8k
〇申込締切: 2025年 1 1 月28日(金)
〇企画・運営: JICA栃木デスク
〇お問い合わせ:JICA栃木デスク(担当:田島)
メール:jicadpd-desk-tochigiken@jica.go.jp
電話:028-621-0777

2025/ 1 1 /18
「 ディーヨ フォーラム JAPAN」が「2024年度JICA基金活用事業」で実施しました「学習に遅れがちな生徒の保護者への支援(Parent education)」の「報告書」が、下記サイトに掲載されました。
村の学校では、学習に遅れがちな生徒や欠席の多い生徒への対応に困っていました。その改善のため「保護者の教育への関心を高める」「子供の家庭学習の定着を図る」ことを目標として事業を実施しました(2025年2月~6月)。
具体的には、訪問指導者の研修会、保護者の講習会、指導者による家庭訪問、日記の宿題とそのチェック等があげられます。月2回程度の家庭訪問と子ども本人 と対話しながらの日記チェックにより、子供たちの学習環境の背景が見え、生徒理解が進み、保護者との連携もしやすくなりました。それは、現地指導者のやりがいも高めました。事業後のアンケート結果から、保護者の教育への理解、生徒の家庭学習の定着が高まったことが確認できました。

保護者の講習会 子供と共に集まる

家庭訪問指導 子供と対話しながら日記のチェック

家庭訪問指導 両親と家の壁づくりをしている生徒が日記を持ってくる。労働で疲労してしまう背景が見える

家庭訪問指導 山々に点在する家を訪問

家庭訪問指導 学習以外の課題も見えてくる
2025/ 1 1 /18
8/30宇都宮での報告会「ネパ―ル応援セミナー 社会的弱者の学びと自立を目指して」の動画が公開(ネパール会YouTubeサイト)されました。ご覧ください。
第1部 基調講演
「学習に遅れがちな生徒の保護者への支援」
ディーヨフォーラムJapan半田好男
第2部 事例紹介と質疑
長野県駒ヶ根市「トカルパのひかり」など、
栃木県「ネパール支援有志の会 サンガサンガイ」
JICA筑波から…他
2025/08/20
JICAネパール事務所の公式Facebook で
ネパールでの活動記事がシェアされました
ディーヨ・フォーラム JAPANの活動が、JICAネパール事務所の公式に掲載されています。
こちらのリンクから、ぜひシェアをお願いいたします!
ディーヨ・フォーラム JAPANは、JICAからの支援を受け「学習に遅れがちな生徒の保護者への支援」を実施しています。
現地JICAネパール事務所職員2名が視察に来てくれました。対象となる生徒と父親(右端2名)及び 訪問指導者やNGO関係者達です(2025年5月31日トカルパ村にて)

2025/08/15
2025年度総会・報告会を開催します
2025年度の総会と報告会を下記の日程で開催いたします。
報告会は、会員でない皆様にもご参加をいただける機会となっています。
ディーヨ・フォーラム JAPANの活動に触れる、年に一度の貴重なチャンスです。
皆様のご参加を、お待ちしています!
2025年度総会・報告会
総会
日時: 2025年8月30日(土)10:30~12:00(開場10:00)
会場: とちぎ国際交流センター 会議室
出欠連絡: 会員対象に配信しているメールから、申し込みを完了して下さい。
当日参加できない場合は、後日録画の配信を行います。
報告会
テーマ: 「社会的弱者の学びと自立を目指して」
日時: 2025年8月30日(土)14:00~16:30(受付13:30)
会場: とちぎ国際交流センター 2F多目的ホール および オンライン
概要:
当団体代表の半田による基調講演に続いて、有志団体やJICAとの連携体制について、取り組みの事例報告を行います!
コラム No,1
ネパール・トカルパ村の暮らし
ここに示す村の生活は、1990年代のネパール・トカルパ村の様子です。現在に続く支援に至る経緯を示すものです。
〇北はチベット、南はインドに接し、ヒマラヤ山脈の主峰エベレストなどを有する国、ネパール 。
1991年に半田が、青年海外協力隊として赴任したのは、中部山岳帯に位置する人口4千人ほどのトカルパ村でした。急峻な山肌を刻むように段々畑が連なり、山の中腹の比較的なだらかな場所に集落が点在しています。
トカルパ村全景 右手に頂上が2つ、そこから左側の谷底に至るまでがトカルパ村。村は、800mから2000mくらいの標高差のある大きな山でした。中心部は山の中腹に位置するため、ふもとにある幹線道路から登山になります。

〇村の生活は、ほぼ自給自足でした。灯油ランプ・火おこし・沢からのくみ水が、電気・ガス・水道の代わりです。村人は、生活に必要な技術や知識を豊富に持っていました。
トカルパ村の中心は山の中腹 山の裾に広がる曲線を描く美しい等高線。山肌の段々畑。斜面が急なほど、幅は狭くなる。過酷な労働が想像できます。




山の中腹にある水源 沢に集まる女性達三人三様(洗濯、お風呂、水汲み)

家畜の餌は毎日必要

薪を運ぶ青年。生活で使うため2~3日に一度は山に入って薪を集める。
〇日々の煮炊きには、幹を倒さず枝を使い、木を生かします。建物は村で入手できる建材を使い、村人が助け合って建築します。草の繊維からひもをない、わらから敷物を編み、鶏・ヤギ・牛・水牛を飼って卵・肉・ミ ルクなどを調達し、ヨーグルト・バターなどの乳製品を手作りして冷蔵庫なしで保存します。



水牛の乳を搾る。村人の話では、牛は1日40~50リットルの水を使うという。水を沢から汲み山道を運ぶだけで重労働である。
〇村人は総じて痩身で、子どもは日本の子どもより2~3歳小さく見え、栄養が十分とはいえません。病気になっても村内に病院はなく、専門的な医療は受けられません。学校はありますが、険しい山道を通うには、時間と体力を要します。学校に通えないまま大人になった村人も多くいました。




朝はお茶。主な食事は朝晩の2回。昼食はトウモ ロコシや大豆などを煎ったりして食べる。
病人を担いで村(山)から降ろす。

コラム No.2
識字について
ここに示す識字の話は、ネパールNGO「Diyo Forum」誕生へと結びついていきます(1994年)。
ディーヨ フォーラム JAPANは、日本から「Diyo Forum」の活動を支援しています。
「学びたい」がともした明かり
1991年、半田が青年海外協力隊員(理数科教師)としてネパールの山村の高校に赴任しました。生徒たちが狭い教室からあふれんばかりに学んでいました。
学校で学ぶ子どもたちの目の輝きも印象的でした。身近にある素材で作った教材で実験してみせるたび、教材に押し寄せ、食い入るように見つめてきます。子どもたちは体いっぱいに思いを表現し、学ぶことを楽しんでいる様子でした。貧困であるはずの彼らですが、悲愴感はなく、たくましく生きていました。
「豊かさとは何だろう」という問いがおのずと生まれました。

〇村の学校を調査して見えた課題
生徒の数などを調査すると、村の小中高校生の在籍数は、学年が上がるに連れ減少していたことが分かった。赴任した年の高校1年の在籍数は、小学1年の約15%。女子はさらに深刻なことが分かりました。




小学生低学年の教室には机・椅子がないこともありました。

高校1年生の教室
〇中途退学・学校に来られない理由は?
就学率が下がっていく理由は、①貧困、②子供の家事負担、③親の教育に対する認識不足などでした。



〇子どもが学校に来られるようにするには?
子どもが高校まで学び続けている、ある家庭を訪問した時のことです。その生徒の地域から高校生は皆無だったのです。その理由を求めて家庭訪問しました。その父親は、村外で働いた時に、読み書き計算などを識字教室で学んだ経験があり、教育の重要性を認識していると分かりました。これがきっかけで、就学率向上のためにも「大人に学びの機会をつくる」有効性を考えるに至ったのです。
〇識字教室にやって来る村人
識字教室は、就学率の低い集落、女性を優先し実施しました。10代半ばから60代の20数人が学び出しました。
女性たちは昼間の労働後、たいまつや灯油ランプ、懐中電灯などを手に手に、真っ暗な山道をはるばるやって来ました。


背には赤ちゃん 手には識字教室で使う教科書
〇教室開始
教室の初日は自己紹介から。うつむきがちで、声は小さく自信なさげです。
授業は、黒板に示された図を描き写す課題から始めました。ところが、なかなか同じように描けません。鉛筆を持つ経験がないまま大人になっていたのです。そんな彼女たちにネパール人教師は「最初はできなくて当たり前。これからどんどん良くなるよ」と、前向きな言葉をかけ続けました。
〇教えるのは、読み書き計算だけ?
識字教室のの学習内容には、衛生、栄養、病気対応などもありました。例えば、湯冷ましに塩と砂糖を加えて経口補水液を作り、水分補給をすること。病院のない村では、下痢や発熱を伴う感染症が命に関わることがあり、このような対処法が家族を守ることにつながるのです





教科書(1冊目)上部「ナヤ ゴレ ト」の文字。
「ナヤ」は「新しい」。「ゴレト」は「小道」。
この小道は、人や家畜の行き来で自然に踏み固められてできた意味です。図からも伝わってきます。
読み・書き「パニ」「水」 計算「数え方」 水(川)をテーマに
〇生徒が変わっていった
農閑期の半年を教室の開設期間としましたが、期間が終わる頃、ある女性が「真っ暗だった心に光が差し込んできた」と語ってくれました。女性たちの顔は前を向き、発言する声も力強くなっていました。
〇2年目(1992年) 識字教室継続
日本(長野県駒ケ根JC)から資金を支援してもらい、教師を増やして教室数も4つに広げ、隣村にも開設することができました。
〇登録の様子(1992年)
識字教室の登録には、名前(文字)が書けないため記名は代筆で、サインの代わりに拇印としました。この教室では、15歳から55歳の女性が学びました。




〇ノートから伝わってくるもの
識字教室では、最初にノート1冊と鉛筆を配りました。ノートは、日本の真新しいノートでした。真っ白だった紙の色は、やがて黄色く変わって行きました。それは、農作業で手についた土から、煮炊で使う薪からの煙から、手からにじんだ汗からなどからの色でした。
文字は、習い始めの子どもが書くような文字。強い筆圧、不均等で、バランスの悪い文字でしたが、隙間なく一生懸命に書いていることが伝わってきます。


〇識字教室の継続に向けて
1993年、青年海外協力隊2年間の任期が終わりに近づいた頃、「もっと学びたい」「今回学べなかった弟や妹たちのためにも、教室を続けてほしい」など、学びを求める声が多数あがってきました。
この要望に突き動かされて、支援継続のためのNGO「Diyo Forum」をネパールに組織しました。Diyo(ディーヨ)とは、ネパール語で、菜種油などを入れた皿に、こよりを置いてともす小さな明かりを意味します。村人の希望がともしたディーヨは、村人と現地スタッフ、また、日本から支援してくださる人々の思いがより合い、形を変えつつ今日まで続いています。
〇2015年5月 支援地域を震源とする大地震まで、識字教室は続きました。
1教室から始まった識字教室の数は、11教室まで増えていきました。教える内容では、最初を基礎教室(ベーシッククラス)と位置づけ、フォローアップのための発展教室(アドバンスクラス)も実施しました。
大地震以降は、識字教室や職業訓練を止め、被災者の緊急支援(毛布配布や学校施設支援等)を行うようになりました。


